同窓会スケジュール

突撃! 関倉卒業生 Vol.1 -尾崎正敏さん-

2024.09.22

 OB・OGにインタビューして、学生時代の思い出や近況をお聞きする「突撃! 関倉卒業生」。
 第1回は関西大倉中学校・高等学校の卒業生でもあり、高知放送のアナウンサーや報道記者、大学教授として活躍されたのち、母校で6年間学校長を務められた尾崎正敏さんをお迎えし、お話をお伺いしました!

聞き手:丸岡拓真(平成25年・2013年卒業)

尾崎 正敏(おざき まさとし)

1963年4月 関西大倉中学校 入学
1967年3月 関西大倉高等学校 卒業
1971年3月 龍谷大学文学部社会学科 卒業
1971年4月 株式会社高知放送(RKC) 入社
2006年4月 甲子園短期大学 助教授 就任
2010年3月 甲子園短期大学 教授 退任
2010年4月~2016年3月 関西大倉中学校・高等学校 第8代学校長

浄土真宗本願寺派 布教使
高知県観光特使、ゆすはら未来大使

――生徒時代を振り返ってみて、どのような生徒だったのでしょうか?
弁論大会に臨む高校2年の尾崎さん。高校3年では弁論部の部長を務めた

 小学校から中学1年の頃は人前で話すことが苦手で内気な生徒でした。
 中学2年の時に恩師で弁論部の顧問をされていた金林良治先生と出会ったことがきっかけで、中学2年から高校3年までの5年間、弁論部に所属しました。入学当時の僕には考えられなかったでしょうけれど、その後の人生はアナウンサー、大学教授、学校長、そして僧侶と「人前で話すこと」が常に私の人生の中心にあります。

――その後の人生の大きな転機になられたのですね!
恩師の故・金林先生(写真左)と同窓会総会にて

 金林先生との出会いがなければ、いまの自分はなかったと思います。
 そういった意味で、”関西大倉に育てられた”という思いが非常に強く、卒業後も主に高知県で働いておりましたが、同窓会の理事や副会長を務めさせていただき、関西大倉とは常につながり続けていました。

――関西大倉の学校長になると決まったときは、特別な思いを感じられたでしょうか?

 私自身が卒業生ですから、「何があっても後輩たちのことは僕が守るぞ!」という決意をもって着任しました。
 金林先生との出会いによって、私のその後の人生が大きく変わった経験がありましたので、先生方には「生徒一人ひとりと向き合って、原石を磨くのが教育だ」という話をよくお伝えしていました。

「創立110周年記念演奏会」は、尾崎さんが中学2年まで通った旧・大淀学舎から程近くのザ・シンフォニーホールで開かれた。演奏会では、交響楽団と本校吹奏楽部合同の演奏も行われた。
――登下校時はいつも生徒と言葉を交わされていて、フランクな校長先生だ!と驚きました

 実は、日本史や世界史の先生になりたいという気持ちもあり、大学では教職の勉強もしていました。しかしながら、当時は教育実習の時期と各放送局のアナウンサー採用試験の時期がちょうど重なっており、悩んだ末にアナウンサー職を目指したため、教員免許を取得することができませんでした。
 免許なしで教壇に立つことができないわけですから、主に生徒の皆さんとコミュニケーションを図れるのは登下校時間に限られていましたので、できるだけ毎日後輩たちの姿を見守り、言葉を交わすようにしていました。あなたもその一人でしたね!

――アナウンサーのご経験があるからだと思うのですが、全校集会でのお話はすっと耳に入ってきました
放送室からテレビ中継で全校朝礼に臨む

 話が長くなってくると、人間はどうしても集中力が切れてしまって、大事なことも頭に入らなくなってしまうのですよね。
 特に全校集会などでは、生徒指導の先生をはじめに何人もの先生方がお話をされる。私も生徒だった頃は長時間話を聞くことは大変だったという体験がありますから、集中力が続く3~5分程度で簡潔にまとめるようにしていました。

――体育祭でのリレー実況はとても印象に残っています

 本来は放送部員が実況する方がいいと思うのですが、アナウンサー時代に高校野球の実況なども行っていたことから、お声がけいただきました。今でも自宅でテレビ中継のボリュームを絞って自分で実況してみるのですが、さすがに口まわりの筋肉が衰えてきたのか、現役時代のようには滑舌が追い付かなくなってきてしまいました……笑

――6年間の在任中に送り出された後輩は約3,000人です

 そんなにたくさんいらっしゃいますか!
 人生80年としたときに、人生は3つにわけることができます。まずは大学卒業までの学生期、次に約40年の社会人、最後は定年退職後の余生です。
 特に学生時代は、人格形成やこれからの60年への基礎作りとして、非常に大切な時期だと思っています。社会に出てからも時にはしんどいこと、辛いこともありますが、それを乗り越えた先に未来があります。
 ぜひ後輩の皆さんには、それらを乗り越えてよい人生を送ってほしいと思っています。

――最近、「世界一周の船旅」を経験されたとお聞きしました
谷井前学園理事長と文化祭で”合格もち”をつく

 2023年春にすべての仕事を退きこれからの余生を楽しみたいと思い、2024年4月から約100日間の船旅に出ました。 航海する地域によって色が変わる海はどれだけ眺めていても見飽きることはありませんでした。インド洋、北大西洋、北太平洋、アラスカ氷河、そしてパナマ運河の光景は今でも目に焼き付いています。
 船内では乗客による講演会が開かれており、私も「仏教講座」や観光特使を務める「高知県の観光PR」、「檮原町と隈研吾」の3つのテーマで約1時間の講演会を3回開く機会を得て、それぞれ100名近い参加者に向けてお話ししました。

――世界一周で得られたことはありますか?

 近頃は人生100年時代だともいわれますが、船内で出会った同年代の方々は「これから30年の余生は黄金の30年だ!」と意欲的に講演会に参加され、新たな知識を吸収しようと頑張っておられました。
 私もこれには非常に刺激を受けまして、せっかくの機会だから何か形になるものを習得しようと、南京玉すだれにチャレンジしました。同窓会総会の懇親会で初めて披露させていただきましたが、今後はボランティアとして高齢者施設へ訪問し披露させていただくなど、新たなライフワークの1つにしていきたいと思っています。

――貴重なお話をお伺いさせていただき、ありがとうございました!

「○○さんにインタビューしてほしい!」や「お店をやっているので同窓生に紹介したい」などのリクエストのほか、感想も募集中です!
次回もお楽しみに☆

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